介護にかかる費用負担をできるだけ小さくしたいという家庭では、在宅介護を選ぶことが多くなっています。在宅介護は施設介護に比べて費用を抑えられるのかと疑問に思うかもしれませんが、一般的には施設を利用しない方が安上がりです。特に入所するとなると高額な費用がかかる事になるのは容易に想像できるでしょう。どのくらい費用を抑えられるかはケースバイケースで、介護を必要とする人の状況やどの種類の施設を利用するかによって異なります。全体的な傾向としては施設介護に比べると在宅介護は半額以下の負担で済むようになっています。在宅介護にかかる平均的な費用は毎月4万円から7万円程度なのに対し、施設介護の場合には7万円から25万円くらいがかかっているからです。毎月数万円から十数万円の差があることを考慮すると、経済的に余裕がない家庭では在宅介護を選びたいと思うのはもっともな事でしょう。

ただ、費用負担が少ない分だけ家族の負担が大きくなる事も加味する事が大切です。自宅に介護のための設備を整えたり、必要な消耗品を揃えておいたりするだけでなく、家族が介護する必要も生じます。いつも一緒に暮らせるというのがメリットになる事もデメリットになる事もあるでしょう。安いから在宅介護にしようと安直に考えてしまって後悔している例もないわけではありません。介護を受ける人も含めた家族全員が納得できるかを相談してから決めるようにしましょう。